映画【MOTHERマザー】モデルになった事件「誰もボクをみていない」

育児

17歳の少年が自分の
祖父母を殺害し
キャッシュカードを奪うという事件がありました。

これだけを読むと、
あなたはこの少年をどう思いますか?

・なんてひどい少年なんだ
・親族を殺すなんて….

と思いませんでしたか?

ですが、指示をしたのは母親
誰にも危害を加えたことのない
妹思いの少年が悲しい事件を起こしてしまいました。

今回は映画「MOTHER」のモデルになった事件をご紹介します。

家庭環境

父親  母親の浪費癖により
    愛人を作り家に帰らなくなる→離婚

母親  浪費癖があり
    夫から渡されていたお金をすべて
    遊びに使うような人
    ホストと再婚

ホスト 母親と結婚し各地を転々としラブホテルに泊まり生活

少年  小5から学校に通わなくなり「居所不明児童」となる
    両親から虐待・ネグレクトを受ける
    母親の代わりに働き年の離れた妹の面倒をみていた

妹   ホストとの子ども
    少年がおむつを替えたり、
    妹のために食料を探したり面倒をみていた

「居所不明児童」とは、厚生労働省が調査した居所の把握できない児童のこと
2018年6月1日時点で28人である。
その内、平成28年度調査(2017年6月1日時点)から引き続き居住実態が把握できない児童は、6人である。

Wikipedia


    

母親の浪費癖のせいで父親は愛人を作り
家に帰らなくなってしまいます。

父親が家に帰らなくなってからは
母親はホストクラブに通うようになり

母親は料理もせず
少年は、コンビニのお弁当やハンバーガーなどを食べて生活をしていました

母親は自宅に、遊び友だちやホストが出入りするようになり
明け方までお酒を飲んでいることもあったそうです。

そんな生活をしていれば、
当然少年は朝起きれないからだになってしまいます。

少年は、昼夜逆転の生活になってしまい
小学5年生から学校に行かなくなってしまいます。

少年は
「稼いだお金を全部ホストに使ってたら意味ない」
と母親に抗議をしましたが

母親は
「私が稼いで行っているんだから、お前に関係ない」
と少年の耳を貸すことはありませんでした。

母親はホストクラブに夢中になり
次第に家に帰らなくなってしまいます。

時には、1ヵ月家に帰らない時もあったそうです

「帰りたいけどお金がない」という母親に
少年が1万円を送金することもありました。

母親とは違い
少年は親戚からのお小遣いを貯金していました。

しかし、母親は帰らず
少年は裏切られたショックで

お風呂に入らず
食事もとらず
同じアニメをずっと見て過ごしていました。

このことがトラウマになり
少年は母親に依存するようになってしまいます。

そして、父親と離婚
ホストと再婚します。

13歳離れた妹ができた際

少年は
「自分達の面倒すらみれないのに、
 もう一人なんて絶対無理。育てる力もないのに
 産む資格なんてない」
と言ったそうです。

ですが、母親は妹を産みました

妹が生まれても野宿やホテル暮らしが続き
妹の世話は少年がみていました。

母親の支配と浪費癖が生んだ悲劇

義父が失踪し連絡がつかなくなってしまいます
そして少年が16歳になり働くようになり

少年が母親と妹の生活費を稼いでいました。
しかし母親がすべて浪費してしまうため

常にお金がなく、母親の指示で
少年は、親戚や職場からお金を借りやりくりしていました。

そして事件は起こります。

ある日、母親が
「おばあちゃんを殺したらお金はいるよね」と言い出しました。

少年は冗談だと思い
軽く流していたのですが

次の日になっても何度も言ってきました。

翌日、少年は祖父母の家に
お金を借りに行きますが

しかし、祖父母は何度もお金を貸しているため
祖父が怒り出し、お金を借りることができませんでした

母親の言葉を思い出し
少年は(やはり殺すしかない)と祖父母を殺害してしまいます。

その後、キャッシュカードを盗み
母親と妹と逃げる生活を送ります

少年は「捕まるのは自分だけで十分、
    お母さんは関係ないと言ってくれればいい」と話していたそうです。

そして奪ったお金は、すべて母親に使われてしまったそうです。

判決

この事件での2人の判決は

少年 懲役15年

母親 懲役4年6ヵ月

母親は少年に殺人を指示したことを否定し
証拠もなかったため強盗罪のみで判決が下されたようです。

学習性無力感が原因?

真面目な少年がなぜ事件を起こしてしまったのか
母親の指示とはいえ、
母親から逃げれば解決できたのではと考えてしまいますよね

裁判に出廷した精神科医が
「学習性無力感」が原因で起こったと説明しています

学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん)とは
長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、
その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。

Wikipedia

この「学習性無力感」により
母親から逃げれず悲しい事件が起こりました。

書籍【誰もボクを見ていない】

この「川口祖父母殺害事件」について
詳しく書かれた書籍があるので紹介します。

毎日新聞記者が少年を取材しまとめたものです。

事件の詳細や
母親の生い立ち
行政がサポートできなかった理由が詳しくのっています。

↓↓↓ 興味のある方はぜひ読んでみてください ↓↓↓


誰もボクを見ていない: なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか (ポプラ文庫)

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